ミチビト
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応援広告の許可取り|所属事務所への確認と媒体の掲載審査、両方を通す段取り

監修:鍵森将株式会社グレイド 執行役員(サイネージ広告事業 責任者)
夜の駅前で、ビル壁面の中型ビジョンを見上げながらスマートフォンを構える若い女性たちと、その後ろを行き交う通行人(記事用に生成したイメージ画像)

推しの誕生日に街頭ビジョンで応援広告を出したい、動画のイメージも固まってきた——けれど、その映像が実際に街に映るまでには、性質の違う関門が2つあります。ひとつは推される側、つまり所属事務所の許可等の確認。もうひとつは、その広告をそのビジョンで流してよいかという媒体側の掲載審査です。この2つは別物で、片方が通ればもう片方も通るというものではありません。しかも応援広告には記念日という動かせない日付があるので、「間に合わなかった」では済みません。この記事では、都内5拠点の街頭ビジョンを運用する立場から、事務所への確認と掲載審査を、どの順番で、何を決めてから動かせばいいのかを整理します。

この記事のポイント

  • 応援広告には「所属事務所の許可等の確認」と「媒体の掲載審査」という別々の関門があります。片方が通っても、もう片方が通らなければ放映はできません。
  • 許可の方針は事務所ごとに違います。放映する場所・期間・尺・使う素材を決めたうえで、必ず事前に確認してください。媒体の掲載審査は、権利の処理を代行するものではありません。
  • 媒体の掲載審査は「その場所に映してよいか」を見ているため、同じ動画でも拠点によって結果が変わります。記念日という動かせない日付がある応援広告ほど、拠点を1つに決め打ちしないことが備えになります。

応援広告には、性質の違う関門が2つある

応援広告でつまずく方の多くは、確認すべき相手を1つだと思っています。実際には「推される側の権利」と「映す場所の事情」は、まったく別の窓口で判断されます。前者が所属事務所への確認、後者が媒体(ビジョンの運営会社)の掲載審査です。どちらか片方が通っただけでは、放映は始まりません。

紛らわしいのは、どちらも「許可」「審査」と呼ばれることです。媒体側が行うのは、その広告をそのビジョンで流してよいかという判断であって、肖像権や楽曲の利用許諾を代わりに取ってくるものではありません。ミチビトでも、申込みの受付・放映の手配まではお引き受けしますが、肖像権の処理や事務所への許可取りは行えません。ここは出稿する側の役割として残ります。

順番も決まっています。先に動かすべきは事務所への確認です。理由は単純で、媒体の審査は入稿のスケジュールに沿って進みますが、事務所からの回答はこちらでコントロールできないからです。動画を作り込んだあとで「その写真は使えない」と分かると、記念日そのものを逃します。個人が応援広告を出すときの全体像は個人でも街頭ビジョンに広告は出せるにまとめています。

所属事務所への確認|決めてから聞くと、答えが返ってくる

推しの写真・映像・名前を広告に使う以上、所属事務所の許可等の確認が前提になります。方針は事務所ごとに違うので、「他の応援広告を見たことがあるから、うちの推しも大丈夫だろう」とは考えないでください。応援広告が街に出ていること自体は、その事務所が許可を出す方針であることの証明にはなりません。

確認を早く進めるコツは、聞く前に条件を具体化しておくことです。「街頭ビジョンに広告を出したい」だけでは、事務所側も可否を判断できません。どこの、いつからいつまでの、何秒の枠で、どの素材を使うのか。この4点が決まっていれば、そのまま可否の判断材料になります。ミチビトの場合であれば、拠点は渋谷センター街・歌舞伎町・高田馬場・新大久保・三軒茶屋の5拠点、放映は月曜始まりの週単位、尺は15秒や30秒といった形で、具体的に伝えられます。

確認するのは「推しの写真」だけではない

映像・写真に加えて、BGMに使う楽曲、ファンアートやイラスト、ロゴやグループ名の表記など、素材ごとに別々の権利が関わります。肖像権・著作権まわりの確認は、基本的に広告を出す側の責任範囲です。「この素材はどこから来て、屋外の広告で使ってよいものか」を1つずつ言えるようにしておくと、事務所への確認も媒体への説明もそのまま通ります。

権利確認の実例テレビCMで流れている映像でも、屋外への転用には別の許可が要った例
素材
テレビCMに出演中の著名タレントが出演する映像
用途
放映中のテレビCM素材を、屋外ビジョンへ転用
結果
事務所に確認し、許可が下りて放映

資産運用サービスの広告で、テレビCMとして現に放映されている映像を街頭ビジョンでも流したい、という相談がありました。すでに世に出ている公式素材ですが、テレビでの使用許諾と屋外広告での使用許諾は別のものとして扱われます。この案件では事務所に確認をとり、許可が下りたうえで放映しています。企業が正規に作った素材ですらこの手順を踏むので、ファンが自分で用意した写真や映像であれば、確認を省く選択肢はありません。

なお、事務所の回答は「可・不可」の二択とは限りません。使ってよい素材の指定、掲載期間の条件、表記の指定など、条件付きで許可が出ることがあります。条件が付いた場合は、その条件を満たした状態の動画で媒体の審査に出す必要があるので、動画制作に入る前に回答をそろえておくのが安全です。

媒体の掲載審査は「その場所に映してよいか」を見ている

もう一方の関門である掲載審査は、法律に触れるかどうかだけを見ているわけではありません。街頭ビジョンの多くはビルの壁面や屋上に設置されているため、そのビルのオーナーの意向が強く働きます。さらに、ビルに入居しているテナントの事情まで影響することがあります。「その場所に映していい広告か」という、場所ごとの事情を含んだ判断だと考えてください。

だから同じ動画でも、A拠点は通ってB拠点は落ちる、ということが普通に起こります。応援広告そのものは、商材の内容で問題になることが比較的少ない種類の広告ですが、それでも「拠点が違えば結果が違う」という構造は変わりません。次の例は企業広告のものですが、この構造がいちばん分かりやすく出たケースです。

審査の実例同じ駅前でも、ビジョンによって結果が分かれた例
業種
男性向け健康食品メーカー
出稿先
都内主要駅前のビジョン4基
結果
2基は掲載、2基は審査落ち

同じ駅前エリアのビジョン4基に出そうとしたところ、2基だけ掲載できませんでした。理由をたどると、そのビジョンが付いているビルの1階に大手ドラッグストアが入居しており、その店舗が特定の滋養強壮ドリンクのブランドと直接契約していたためでした。競合するカテゴリの商材はまとめて掲載不可という扱いです。商材そのものには何の問題もなく、同じ動画が残りのビジョンでは問題なく放映されています。広告の中身ではなく、映す場所の事情で結果が変わるという典型例です。

この手の事情は、広告を出す側からは事前に読めません。読めない以上、対処は「読む」ことではなく「読めなくても困らない形にしておく」ことになります。具体的には、出稿先の候補を最初から複数もっておくことです。掲載審査の全体像や、企業広告で落ちやすいパターンはサイネージ広告の審査基準で詳しく解説しています。

通らなかったときに、打ち返す方法は2つある

通らなかったという連絡が来ても、その時点で終わりではありません。実務で使える打ち返しは大きく2つ、表現を変えるか、映す場所を変えるかです。どちらで対処すべきかは、通らなかった理由がコピーや見せ方にあるのか、場所の事情にあるのかで決まります。

表現が理由の場合は、言い換えで通ることが多いのが実感です。街頭ビジョンは、その広告を見たいと思っていない通行人の目にも入るメディアなので、ターゲット以外がどう受け取るかまで含めて判断されます。実際に企業広告でも、サービスの本質は変えずに言い回しをやわらげることで掲載できた例があります。応援広告なら、メッセージの意味を変えずに、内輪だけに通じる言い方を通行人にも分かる言い方へ寄せる、といった調整が該当します。

拠点を1つに決め打ちしない

場所の事情が理由で通らなかった場合、直しようがありません。打ち手は別の枠へ振り替えることだけです。1拠点だけを狙っていると、そこで詰みます。ミチビトは都内5拠点を扱っているため、1つの枠で難しい場合は別の枠でご提案できます。「この街でなければ意味がない」という応援広告でなければ、第2候補・第3候補を先に決めておいてください。記念日が近いほど、この備えが効きます。

段取り|記念日から逆算して、事務所の確認を先頭に置く

ミチビトの運用は、入稿が毎週月曜、放映開始が翌週の月曜という週単位です。ここに掲載審査と、必要に応じた修正のやりとりが乗るので、初稿から放映までは3週間を見ておくのが最も安全です。放映は週の途中から始められないため、月曜の入稿を1日逃すと、放映開始はまるごと1週間後ろにずれます。

  1. 1お祝いの日を含む放映週を決める(放映は月曜始まりの週単位)
  2. 2出稿する拠点の候補を複数決める(1つに絞らない)
  3. 3所属事務所への確認を始める(場所・期間・尺・使う素材を添えて聞く)
  4. 4許可の見通しが立ってから、動画の制作に入る
  5. 5放映の3週間前を目安に初稿を出し、掲載審査を受ける
  6. 6指摘があれば、表現・素材を調整する(場所の事情なら拠点を振り替える)
  7. 7放映週の前の月曜までに最終データを入稿し、翌週の月曜から放映開始

どうしても日程が厳しい場合の逃げ道もあります。先に枠を押さえ、確実に通る内容の動画を1本審査に通しておいて、放映が始まってから本命の動画に差し替えるやり方です。実際にこの進め方をしている広告主がいます。ミチビトの場合、契約金額のほかにかかるのは差し替え1回2,000円だけなので、日程のリスクを下げる手段として現実的です。

入稿の形式も、確認の段階で一緒に押さえておくと後戻りがありません。16:9のmp4が基本で、これ1つで全拠点に配信できます。例外は歌舞伎町で、ここは1:1です。16:9のまま入れると上下に黒帯が出るため、画面いっぱいに映したい場合は1:1で別途用意してください。動画そのものの作り方は応援広告の動画の作り方で構成から解説しています。

まとめ

応援広告の許可取りは、事務所への確認と媒体の掲載審査という、性質の違う2つを並行して通す作業です。押さえるべきは4点あります。第一に、この2つは別物で、媒体の審査は権利の処理を代行しないこと。第二に、事務所への確認は場所・期間・尺・素材を決めてから、いちばん先に始めること。第三に、掲載審査は場所の事情を含む判断なので、拠点によって結果が変わること。そして第四に、記念日から逆算して3週間前には初稿を出すことです。

ミチビトは渋谷センター街・歌舞伎町・高田馬場・新大久保・三軒茶屋の都内5拠点の街頭ビジョンを扱っており、個人の方からの応援広告もお受けしています(推される方が事務所に所属している場合は、所属事務所の許可等の確認が前提です)。出せるかどうかの相談だけでも構いませんので、お問い合わせからご連絡ください。全体の流れは個人でも街頭ビジョンに広告は出せる、審査の詳しい話はサイネージ広告の審査基準をあわせてご覧ください。

よくある質問

Q.応援広告を出すのに、所属事務所の許可は必ず必要ですか?

A.推される人物やキャラクターが事務所に所属している場合は、所属事務所の許可等の確認が前提になります。許可の方針は事務所ごとに違うため、必ず事前に確認してください。他の応援広告が街に出ていることは、その事務所が許可を出す方針であることの証明にはなりません。

Q.媒体の掲載審査に通れば、権利の問題もクリアになりますか?

A.なりません。媒体側が行うのは「その広告をそのビジョンで流してよいか」の判断で、肖像権や楽曲の利用許諾を代行するものではありません。ミチビトも申込みの受付と放映の手配まではお引き受けしますが、肖像権の処理や事務所への許可取りは行えません。権利まわりの確認は、広告を出す側の責任範囲として残ります。

Q.掲載審査に通らなかったら、その時点で諦めるしかないのでしょうか?

A.打ち返す方法は2つあります。表現や見せ方が理由であれば、意味を変えずに言い回しを調整することで通る場合が多くあります。ビルオーナーやテナントの事情など場所が理由の場合は表現を直しても変わらないため、別の拠点へ振り替えることになります。1拠点だけを狙わず、候補を複数もっておいてください。

Q.記念日に間に合わせるには、いつから動けばいいですか?

A.初稿から放映までは3週間を見ておくのが安全です。ただし事務所への確認は回答の時期をこちらで決められないため、その前に始めてください。入稿は毎週月曜、放映開始は翌週の月曜で、放映は週の途中から始められません。月曜の入稿を逃すと放映開始が1週間ずれます。

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