ミチビト
推し活・応援広告・約9分で読めます

応援広告の動画の作り方|屋外ビジョンのプロが構成・音声・入稿まで解説

監修:鍵森将株式会社グレイド 執行役員(サイネージ広告事業 責任者)
三軒茶屋の街頭ビジョンに女性3人組の広告映像を合成した放映イメージ。夜の交差点で信号待ちをする大勢の通行人が手前に写っている(画面右下に「※画像は放映イメージです。」の注記入り)

「推しの誕生日に、街頭ビジョンでお祝いの広告を流したい。でも、広告の動画なんて作ったことがない」——応援広告のご相談で、最初に出てくるのがこの悩みです。街頭ビジョンの動画は、テレビCMともSNS向けの動画とも見られ方が違います。歩いている人が1〜2秒だけ視線を向ける場所で、推しへのお祝いをどう伝えるか。この記事では、都内5拠点の街頭ビジョンを運用し、放映される動画を日々見ている立場から、セレモニー動画の構成・音声・権利確認・入稿までの段取りを、動画づくりが初めての方に向けて整理します。

この記事のポイント

  • 応援広告の動画は「ながら見」が前提。通行人が1〜2秒見ただけで、誰の・何のお祝いかが分かる情報量まで絞るのがいちばん重要。
  • 30秒動画は「誰へのお祝いか(〜5秒)→お祝いのメッセージ(10〜15秒)→もう一度お祝い(約5秒)→誰からの広告か(約5秒)」の4パートに割り振ると、動画づくりが初めてでも形になる。
  • 推し本人の写真・映像・名前を使う場合は、所属事務所の許可等の確認が前提。媒体の掲載審査とは別物なので、必ず事前に確認する。

前提:応援広告の動画は、テレビCMともSNS動画とも違う

街頭ビジョンの前にいる人は、広告を見に来ているわけではありません。駅へ向かう途中や信号待ちに、視線が数秒だけ向く。この「ながら見」が屋外ビジョンの前提です。スマホの動画は再生した本人が見てくれますが、街頭では1〜2秒見ただけで何の広告か分かる情報量に絞らないと、「結局なんの映像だったのか」で終わってしまいます。

一方で、応援広告には普通の広告にない特徴があります。見る人が「偶然通りかかった通行人」と「放映を知って見に来るファン」の2種類いることです。実際、街頭ビジョンに推しが映った事例では、ファンが放映を撮影しに訪れ、その写真や動画がSNSに投稿されています。通行人には一瞬で伝わるシンプルさを、見に来るファンには画面を撮った写真がそのままSNSに載ることを、それぞれ意識して作ると仕上がりが変わります。

もうひとつ、作り始める前に押さえるべき前提が権利です。推し本人の写真・映像・名前を広告に使う場合は、所属事務所の許可等の確認が前提になります。詳しくは後述しますが、動画を作り込んでから確認するのではなく、構成を考える段階で先に確認するのが正しい順番です。

セレモニー動画の構成|30秒を4つのパートに割り振る

尺は30秒が主流です。お祝いのメッセージを入れる余地がありつつ、通行人の「ながら見」にも耐える長さです。屋外ビジョンで実績のある30秒の構成テンプレート(結論→説明→再度の結論→情報)を、応援広告に置き換えると次のようになります。

  1. 1誰へのお祝いか(〜5秒):推しの名前と「誕生日おめでとう」などの結論から入る
  2. 2お祝いのメッセージ(10〜15秒):伝えたいことは1〜2個に絞る。活動の節目、ファンからの言葉など
  3. 3もう一度お祝い(約5秒):冒頭の結論をもう一度だけ言い直す
  4. 4誰からの広告か(約5秒):「ファン一同」など、誰が贈った広告かを示す

ポイントは、お祝いの結論を冒頭と後半の2回置くことです。通行人が視線を向けるタイミングは人によってばらばらなので、結論が1回しかないと、そのタイミングを外した人には何も残りません。15秒枠で出す場合は「誰へのお祝いかを5秒+メッセージを5秒+誰からかを5秒」の3ブロックにさらに圧縮します。

放映の実例ファンが撮影に来てSNSに投稿される——ライバー事務所の応援型放映
業種
ライバー事務所
拠点
渋谷センター街
内容
イベントで上位に入ったライバーを紹介する動画
継続
約2年(3年目に入っている)

イベントで上位に入賞したライバーを動画に出して、渋谷センター街のビジョンで放映している事例です。この放映は「流すこと」がゴールではなく、ファンが現地に撮りに行き、SNSに投稿されるところまでが設計に入っています。実際にファンが撮影に来ていることが、本人たちの言葉とSNS投稿の両方で確認できており、それが約2年(3年目)の継続につながっています。応援広告も構図は同じで、放映された画面がファンの手で二次拡散されることまで含めて「お祝い」になります。

音と見せ方の勘所|屋外はYouTube広告の1.5〜1.7倍

見落とされがちなのが音です。テレビやスマホの音は室内で聴くもので、壁に反響し、音量も視聴者が調整できます。屋外は反響する壁がなく、周囲には人や車の雑音が常にあります。そのため、目の前を通る人に届かせたい音声はYouTube広告の1.5〜1.7倍まで上げるのが目安です。手持ちの動画をそのまま流すと「音が小さくて聞こえない」となりがちなのは、この差を調整していないためです。

そもそも音を出せるかは枠ごとに違います。音声を出せる街頭ビジョンは全体の約7割、さらに音量が十分に出せる枠は約3割です。ナレーションや呼びかけを軸にした構成にする前に、出稿先が音を出せる枠かを確認してください。字幕とテロップだけでも成立する構成にしておくと、枠が変わっても作り直しが要りません。

見せ方では、写真を並べただけのスライドショーになりやすい点に注意が必要です。作りやすさで選ばれがちですが、動きのある映像のほうが伝わります。使える素材が写真だけの場合も、文字や写真に動きをつけるだけで見え方は変わります。また、街頭では離れた場所から読まれるため、文字は大きく、背景と色をはっきり分けることが基本です。

権利の確認|媒体の審査と事務所の許可は別物

応援広告でいちばん慎重に扱うべきなのが権利です。実在の人物の写真・映像・名前を広告に使うことになるため、所属事務所の許可等の確認が前提になります。許可の方針は事務所ごとに違うので、「他の応援広告で見たことがあるから大丈夫だろう」とは考えず、必ず事前に確認してください。

権利確認の実例テレビCM放映中の素材でも、屋外への転用には別途許可が必要だった
素材
テレビCMに出演中の著名タレントの出演素材
論点
屋外ビジョンへの転用の可否
結果
事務所への確認の結果、許可が取れて放映

テレビCMとして現に放映されている素材を、街頭ビジョンでも流したいという案件がありました。テレビで流れているのだから問題ないように見えますが、屋外ビジョンへの転用には事務所の別途許可が必要で、確認の結果、許可が取れて放映に至っています。すでに世に出ている公式素材ですらこの扱いです。ファンが独自に用意した写真や映像であれば、なおさら「事前に確認する」以外の選択肢はありません。

楽曲にも同じことが言えます。推しの楽曲をBGMに使いたい場合、楽曲には別途権利があり、利用できるかの確認が必要です。肖像権・著作権まわりの確認は、基本的に出稿する側の責任範囲です。媒体側は掲載できるかの審査は行いますが、権利の処理を代行するわけではありません。

「審査に通った」=「権利がクリアになった」ではない

媒体の掲載審査は、そのビジョンで広告として流せるかの確認であって、事務所の許可や楽曲の利用許諾を代行するものではありません。「事務所の許可等の確認」と「媒体の掲載審査」は別物で、両方がそろってはじめて放映できます。順番としては、権利の確認を先に済ませてから動画制作に入るのが安全です。

段取り|記念日から逆算する

応援広告には「誕生日・記念日」という動かせない日付があります。だからこそ段取りがすべてです。ミチビトの場合、入稿は毎週月曜、放映開始は翌週の月曜という運用が基本で、初稿から放映までは3週間を見ておくのが最も安全です。ここから逆算して動きます。

  1. 1記念日から放映したい週を決める(お祝いの当日を含む週が基本)
  2. 2出稿先のビジョンを決める(音声の可否・画面の比率がここで確定する)
  3. 3事務所の許可等、権利の確認を先に済ませる
  4. 4構成を4パートに割り振り、放映の3週間前を目安に初稿を作る
  5. 5審査の結果と、音量などの調整を反映する
  6. 6放映週の前の月曜までに最終データを入稿し、翌週月曜から放映開始

データは16:9のmp4が基本で、ミチビトの場合はこれ1つで全拠点に配信できます。拠点によって画面の比率が異なる場合もあるため、出稿先が決まった時点で確認してください。音量・音声は放映時の基準に合わせて媒体側で調整します。

放映開始は月曜単位。1日の遅れが1週間の遅れになる

放映は週の途中から始められません。月曜の入稿に間に合わないと、放映開始はまるごと1週間後ろにずれます。誕生日という動かせない日付がある応援広告では、この1週間のずれが取り返しのつかない差になります。「完璧に仕上げてから相談しよう」と抱え込まず、構成が決まった段階で早めに動き始めてください。

まとめ

応援広告の動画づくりは、特別な機材や経験よりも、屋外ビジョンの条件から逆算することが大切です。通行人が1〜2秒で「誰の・何のお祝いか」を受け取れる情報量に絞り、30秒を「誰へのお祝いか→メッセージ→もう一度お祝い→誰から」の4パートに割り振る。音はYouTube広告の1.5〜1.7倍を目安に、権利は媒体審査とは別に事務所へ事前確認。そして記念日の3週間以上前に動き出す。この5点を押さえれば、初めてでも街に出せる動画になります。

ミチビトは渋谷センター街・歌舞伎町・高田馬場・新大久保・三軒茶屋の都内5拠点の街頭ビジョンを扱っており、動画制作が初めての方には入稿データの規格から個別にご説明しています。まずはお問い合わせからご相談ください。動画構成の基本形は30秒サイネージ動画の作り方に、放映がSNSでどう広がるかはサイネージ×SNS拡散の仕組みにまとめています。

よくある質問

Q.応援広告の動画は何秒で作ればいいですか?

A.30秒が主流です。「誰へのお祝いか(〜5秒)→お祝いのメッセージ(10〜15秒)→もう一度お祝い(約5秒)→誰からの広告か(約5秒)」の4パートに割り振ってください。15秒枠の場合は「誰へのお祝いかを5秒+メッセージを5秒+誰からかを5秒」の3ブロックに圧縮します。

Q.推しの写真や映像を動画に使ってもいいですか?

A.実在の人物の写真・映像・名前を広告に使う場合は、所属事務所の許可等の確認が前提です。許可の方針は事務所ごとに異なるため、必ず事前に確認してください。テレビCM放映中の公式素材でも、屋外ビジョンへの転用には事務所の別途許可が必要だった実例があります。媒体の掲載審査は権利の処理を代行するものではありません。

Q.動画制作の経験がなくても自作できますか?

A.可能です。データは16:9のmp4が基本で、ミチビトではこれ1つで全拠点に配信できます。音量・音声は放映時の基準に合わせて媒体側で調整しますし、動画制作が初めての方には入稿データの規格から個別にご説明しています。構成を4パートに割り振るところから始めてください。

Q.いつまでに動画を用意すればいいですか?

A.初稿から放映までは3週間を見ておくのが安全です。ミチビトでは入稿が毎週月曜、放映開始が翌週の月曜という運用が基本で、放映は週の途中から始められません。月曜の入稿を逃すと放映が1週間ずれるため、誕生日・記念日が決まっている場合は3週間以上前に動き始めてください。

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